いよいよ北京オリンピックが始まりました。昨日行われた開会式をテレビでずっと見てましたが、凄かったですね。まさに中国の国威発揚の場であり、諸外国に対する中国PRの場とというのをビンビン感じました。
何もかもスケールが大きく、もちろん演技・演出はすばらしかったと思いますが、過去あそこまで自国のPRを意識したオリンピックの開会式はあったのかと思うくらい露骨に「中国の素晴らしさ」をうたいあげていました。“One World, One Dream”という今回のオリンピックのスローガンに関わらず、“Our World, Our Dream”という方がふさわしいのではと思ったりしました。あとマスゲームには非常に多くの人が動員されていました。「人の数で勝負」というのも、どこに行っても人が多い中国らしい側面だと思いました。
入場行進も参加国が過去最大だったせいもあるのか、だらだら長く、入場行進の脇で列になって手を上げたり下げたり踊っている中国人の若い女性スタッフの顔にも疲労がありありと見えました。私も最後の方は見ていてくたびれた開会式ではありました。
そして、最後の聖火点灯。人がリフトでスタジアムの上まで吊り上げられ、なおかつそのままスタジアムを一周するという度肝を抜いた演出。「すごい」というよりも「安全面は大丈夫なのか?」「万が一聖火を落としたらどうするのか?」「風で聖火が消えないのか?」とかそんなことばかり気になりました。日本だったら企画の段階で「危険」の一言で却下されているでしょう。さすが雑技団を生んだ国、さすが人権意識がもう一つの国、と思ってしまいました。
スタート以来世界中を騒がせ続けてきた今回の聖火リレーにふさわしい(?)お騒がせぶりでした。
その最後の聖火ランナー。誰がやるのか話題になっていましたが、結局それを務めたのは、李寧氏。中国語で「Li-Ning」と発音します。ロサンゼルスオリンピックの金メダリストだとのことですが、「Li-Ning」といえば多くの中国人は「オリンピックのメダリスト」というよりも、スポーツウエアやスポーツシューズメーカーとしての「Li-Ning」を思い起こすに違いありません。
この李寧(Li-Ning)社、李寧氏が起こした会社で、国産ブランドスポーツシューズで現在中国国内シェアNo1の会社だそうなのです。特に北京などでは、このブランドのロゴをつけたウエアや靴を着たり履いたりしている人をよく見かけます。
その街で見かけるロゴがこれ。
あれ? と思った人いらっしゃるのでは。あのアメリカの有名スポーツメーカのロゴに何となく似てはいませんか?
そしてそして、この会社のスローガンが「Anything is Possible(中国語:一切皆有可能)」。
あれ? これはドイツの有名スポーツメーカーのスローガン「Impossible is Nothing」にどこか似ていませんか?
もちろんLi-Ningブランドはニセモノではありませんし、「パクリ」をしたのでもないのかも知れません。
しかし、オリジナリティとか自分の会社の製品に対するプライドのようなものはないのかな〜、と正直思います。スローガンも、アディダスの「Impossible is Nothing」の方には、一種の反骨精神のようなものを感じますが、「Anything is
Possible」からはそうしたものは感じられません。むしろ一種の「夜郎自大」主義さえ感じます。力があれば何をやってもよいというような思想にもつながりかねないような。
こうした、有名なものを何でもかんでも取り入れて、見てくれを良くすればいい、だって力があれば何でもできるじゃないか? という姿勢と、自国でやるオリンピックなのだから自国のPRをどんどんやるのは当然、というような開会式のマスゲーム演出の考え方は、何か通じるものがあるように思います。「中国らしい」としか言いようのないそういう「何か」を、最後の聖火ランナーに李寧氏が登場した時に極め付けで見た思いがしました。
もっとも、「フットペインティングによる絵の作成」だけは掛け値なしに素晴らしい演出だと私は思いました。みんなが何かを作る、というのがやはり美しいですよね。
何もかもスケールが大きく、もちろん演技・演出はすばらしかったと思いますが、過去あそこまで自国のPRを意識したオリンピックの開会式はあったのかと思うくらい露骨に「中国の素晴らしさ」をうたいあげていました。“One World, One Dream”という今回のオリンピックのスローガンに関わらず、“Our World, Our Dream”という方がふさわしいのではと思ったりしました。あとマスゲームには非常に多くの人が動員されていました。「人の数で勝負」というのも、どこに行っても人が多い中国らしい側面だと思いました。
入場行進も参加国が過去最大だったせいもあるのか、だらだら長く、入場行進の脇で列になって手を上げたり下げたり踊っている中国人の若い女性スタッフの顔にも疲労がありありと見えました。私も最後の方は見ていてくたびれた開会式ではありました。
そして、最後の聖火点灯。人がリフトでスタジアムの上まで吊り上げられ、なおかつそのままスタジアムを一周するという度肝を抜いた演出。「すごい」というよりも「安全面は大丈夫なのか?」「万が一聖火を落としたらどうするのか?」「風で聖火が消えないのか?」とかそんなことばかり気になりました。日本だったら企画の段階で「危険」の一言で却下されているでしょう。さすが雑技団を生んだ国、さすが人権意識がもう一つの国、と思ってしまいました。
スタート以来世界中を騒がせ続けてきた今回の聖火リレーにふさわしい(?)お騒がせぶりでした。
その最後の聖火ランナー。誰がやるのか話題になっていましたが、結局それを務めたのは、李寧氏。中国語で「Li-Ning」と発音します。ロサンゼルスオリンピックの金メダリストだとのことですが、「Li-Ning」といえば多くの中国人は「オリンピックのメダリスト」というよりも、スポーツウエアやスポーツシューズメーカーとしての「Li-Ning」を思い起こすに違いありません。
この李寧(Li-Ning)社、李寧氏が起こした会社で、国産ブランドスポーツシューズで現在中国国内シェアNo1の会社だそうなのです。特に北京などでは、このブランドのロゴをつけたウエアや靴を着たり履いたりしている人をよく見かけます。
その街で見かけるロゴがこれ。
あれ? と思った人いらっしゃるのでは。あのアメリカの有名スポーツメーカのロゴに何となく似てはいませんか?
そしてそして、この会社のスローガンが「Anything is Possible(中国語:一切皆有可能)」。
あれ? これはドイツの有名スポーツメーカーのスローガン「Impossible is Nothing」にどこか似ていませんか?
もちろんLi-Ningブランドはニセモノではありませんし、「パクリ」をしたのでもないのかも知れません。
しかし、オリジナリティとか自分の会社の製品に対するプライドのようなものはないのかな〜、と正直思います。スローガンも、アディダスの「Impossible is Nothing」の方には、一種の反骨精神のようなものを感じますが、「Anything is
Possible」からはそうしたものは感じられません。むしろ一種の「夜郎自大」主義さえ感じます。力があれば何をやってもよいというような思想にもつながりかねないような。
こうした、有名なものを何でもかんでも取り入れて、見てくれを良くすればいい、だって力があれば何でもできるじゃないか? という姿勢と、自国でやるオリンピックなのだから自国のPRをどんどんやるのは当然、というような開会式のマスゲーム演出の考え方は、何か通じるものがあるように思います。「中国らしい」としか言いようのないそういう「何か」を、最後の聖火ランナーに李寧氏が登場した時に極め付けで見た思いがしました。
もっとも、「フットペインティングによる絵の作成」だけは掛け値なしに素晴らしい演出だと私は思いました。みんなが何かを作る、というのがやはり美しいですよね。