「統計学が最強の学問である」という挑発的なタイトルのこの本。だいたい「統計学」って小難しいし、それが最強!と言われても、「はぁ〜?、あなたは何と戦っているのですか?」という感じしか私は受けませんでした。
ところが、なぜかこの本、意外と売れているようです。新聞広告にもどこどここの書店でペストセラーとありました。実際、身近な人で話題にする人も何人かいます。
何か秘密がありそうです。
実際に読んでみました。感想は、「読みやすくわかりやすかった」でした。。。
広告の仕事の文脈で感じたことを書いてみたいと思います。広告の仕事の中でも、プランニングやマーケティングの仕事をしていれば、消費者調査などで統計的なデータを扱う仕事が必ずついて回ります。ところが私たち全てが大学で統計の勉強をしてきたような専門家ではありません。大学の授業で触れたことがあるという人でも、表面をかじっただけという場合が多いのではないでしょうか。まったく何の勉強もしてこなかったという人も少なくないはずです。一応、社会人になった後はOJTなどで少しは学ぶ機会があるかも知れません。とはいっても、データの集計方法や、せいぜい相関を見たりするぐらいでしょう。日々の仕事に追われる中で、統計学の最低限の知識すら学ぶことは少ないのではないかと思います。
するとある日、こんなことが起こります。
Case1: 消費者調査の報告会で
クライアント:「この数字、本当に差があるのか? 検定して確かめてくれよ!」
私たち:「はい、わかりました。ではすぐ調べて報告します・・・(心の中で;『あれ〜、検定ってどうやるんだっけ? 調査会社に聞けば教えてくれるかなぁ〜』)
Case2: 消費者調査の企画打ち合わせで
調査会社さん:「では今回の企画は実験計画法的なやり方でやろうと思います」
私たち:「はぁ。そうですね・・・(心の中で;『実験計画法ってなんだ???』)
なかなか立場上その場で「知らないんです」とは言いにくいものです。会社に帰って「さて、困ったな・・・」ということになってしまいます。
もし上記のような経験をしたことがある人なら、この本はすぐに読むべきです(笑)。その価値はありそうな気がします。
統計の基本を学ばなくっちゃなぁと思って入門書を買っても、ウェブで検索したりしてみても、数式(それも積分みたいな馴染みのないもの)が出てくると、挫折してしまうのが普通の人ではないかと思います。しかしこの本は主に「統計的なものの考え方」に焦点が当ててあるため、難しい数式はほとんど出てきません。一方で、知っておくべき重要な知識、例えば「p値」のような指標についてはキチンと解説してくれます。
その他にもt検定、カイ2乗検定、回帰分析、ロジスティック回帰、実験計画法(ランダム化実験)なども紹介されており、これらの言葉を「聞いたことはあるけどよくわからないなぁ」というぐらいのレベルの人にとっては、この本から得られるものは多いと思います。(これらの言葉をまったく聞いたこともないような人は、やっぱり最初から最後までちんぷんかんぷんである恐れもありますが・・・)
私自身にとっての収穫は、長年のナゾであった「ベイズ統計」という概念がようやくわかった(気になった?)ことかな。
☆西内啓「統計学が最強の学問である」(2013年)ダイヤモンド社
統計学が最強の学問である [単行本(ソフトカバー)]
ところが、なぜかこの本、意外と売れているようです。新聞広告にもどこどここの書店でペストセラーとありました。実際、身近な人で話題にする人も何人かいます。
何か秘密がありそうです。
実際に読んでみました。感想は、「読みやすくわかりやすかった」でした。。。
広告の仕事の文脈で感じたことを書いてみたいと思います。広告の仕事の中でも、プランニングやマーケティングの仕事をしていれば、消費者調査などで統計的なデータを扱う仕事が必ずついて回ります。ところが私たち全てが大学で統計の勉強をしてきたような専門家ではありません。大学の授業で触れたことがあるという人でも、表面をかじっただけという場合が多いのではないでしょうか。まったく何の勉強もしてこなかったという人も少なくないはずです。一応、社会人になった後はOJTなどで少しは学ぶ機会があるかも知れません。とはいっても、データの集計方法や、せいぜい相関を見たりするぐらいでしょう。日々の仕事に追われる中で、統計学の最低限の知識すら学ぶことは少ないのではないかと思います。
するとある日、こんなことが起こります。
Case1: 消費者調査の報告会で
クライアント:「この数字、本当に差があるのか? 検定して確かめてくれよ!」
私たち:「はい、わかりました。ではすぐ調べて報告します・・・(心の中で;『あれ〜、検定ってどうやるんだっけ? 調査会社に聞けば教えてくれるかなぁ〜』)
Case2: 消費者調査の企画打ち合わせで
調査会社さん:「では今回の企画は実験計画法的なやり方でやろうと思います」
私たち:「はぁ。そうですね・・・(心の中で;『実験計画法ってなんだ???』)
なかなか立場上その場で「知らないんです」とは言いにくいものです。会社に帰って「さて、困ったな・・・」ということになってしまいます。
もし上記のような経験をしたことがある人なら、この本はすぐに読むべきです(笑)。その価値はありそうな気がします。
統計の基本を学ばなくっちゃなぁと思って入門書を買っても、ウェブで検索したりしてみても、数式(それも積分みたいな馴染みのないもの)が出てくると、挫折してしまうのが普通の人ではないかと思います。しかしこの本は主に「統計的なものの考え方」に焦点が当ててあるため、難しい数式はほとんど出てきません。一方で、知っておくべき重要な知識、例えば「p値」のような指標についてはキチンと解説してくれます。
その他にもt検定、カイ2乗検定、回帰分析、ロジスティック回帰、実験計画法(ランダム化実験)なども紹介されており、これらの言葉を「聞いたことはあるけどよくわからないなぁ」というぐらいのレベルの人にとっては、この本から得られるものは多いと思います。(これらの言葉をまったく聞いたこともないような人は、やっぱり最初から最後までちんぷんかんぷんである恐れもありますが・・・)
私自身にとっての収穫は、長年のナゾであった「ベイズ統計」という概念がようやくわかった(気になった?)ことかな。
☆西内啓「統計学が最強の学問である」(2013年)ダイヤモンド社
統計学が最強の学問である [単行本(ソフトカバー)]
コメント
コメント一覧 (3)
しかし井上謙一の謀略に呆れて今はダイセルに移籍しているようです。
事から生じる。