2012年にロンドンで開かれるオリンピックのロゴが6月4日発表されましたが、これが開催地イギリスで物議をかもしているようです。

2012olympiclogo CNNの記事によると、「発表直後から『みにくい』『金の無駄だ』といった批判が噴出。インターネットでは、取り消しを求める署名が1万7000人分以上集まった。」そうです。

 ちょっと何かねぇ〜、という感じを私も受けてしまいました。しかし、17000人の取り消しを求める署名というのも尋常ではないですね。せっかくパリと争って勝ち取った開催地の名誉が、こんな形で表現されるのかーと思っていたたまれなくなった(笑)人が多いのかも知れません。

 ロンドンのオリンピック委員会の言い分では、「『柔軟性があり、今後5年間で進化していく』と説明。『「すべての人の趣味に合うものにはならない。しかし、若者にもアピールできる非常に有効なブランドになると信じている』」(上記CNNの記事より)と話しているようです。

 若者狙い、ということですかね。
 
 しかし大企業の「若者狙い」で企画された商品などは、得てして若者自身も支持できないほどにぶっとんでしまうことがあります。そんな感じに近いのかも知れません。

 これをデザインしたのは 「Wolff Olins(ウルフ・オリンズ)」というロンドンの著名なブランドコンサル会社で、2004年のアテネオリンピックのシンボルマークなどもデザインしています。日本では博報堂と提携関係にあり、「東京メトロ」のロゴマークを開発したりしています。

 もっともよく見ると、5大陸を象徴しているようですし「2012」をモチーフにしたデザインであることもわかります。こうしたものは、最初は戸惑いますが慣れると意外に抵抗なくなってしまうかも知れません。...でもやっぱりごちゃごちゃしてますね(笑)

 さらにこのロゴマークについては、今後5年間にわたってWebサイトやTシャツ、マグカップなどの関連グッズに使用されるそうです。オリンピック委員会では、「覚えやすいようにデザインされたこのロゴを利用して、運営資金20億ポンド(約4850億円)の確保につなげたい」(時事の記事より)との考えのようです。

 なるほど、オリンピックにはお金もかかりますからね。このロゴは、このロゴをつけることによって「安っちいマグカップを高価で価値あるマグカップに変える魔法の力(笑)」も期待されているわけです。そうするとやはり一般市民やそれだけでなく、オリンピックスポンサーにも愛されなければなりませんね。

 ところが、このロゴマークに不満を持つそのロンドンっ子の一般市民の中には、こんな印象を持つ人もいるようです。 

「最初の印象は、これはキュビズムの絵で、右側に女性がひざまずいている(五輪マークのところが女性の頭部)、それで、左側に立つLondonというシャツを着た男性に対して、とてもエロいことをしている様子を描いていると思った。」
(ブログ「A Legal Alien - City lawyerの英国便り」さんより)

 ははは、ちょっとお下品ですが。でもこんな見方があることが広がったら、ロンドンオリンピック委員会の集金目標4850億円は、茨の道になるでしょうね〜。こういう面白い話は、すぐクチコミで広がりますからね〜。スポンサーも自分の会社のロゴの横に「エロいことをしている様子」のマークか...と思ったら(という風に見えてしまったら)、いやな感じでしょうね。
 
 こういうものを開発する際には、単なるロゴの好みのレベルでなく、ビジネスとして機能するかどうかというレベル(“マグカップへの魔法の力”の強弱)でも考える必要がありそうだということを、改めて考えされられました。