インターネット広告市場が昨年(2004年)1,814億円に達し、とうとうラジオを抜いたと言われています(電通調べ)。この統計の中には企業が作るWEBサイトへの投資金額は含まれていないそうで、「インターネット」領域への企業投資額はもっとはるかに大きいようです。
インターネット広告については、日本に初登場したのが1996年だそうで、8年あまりでの急激な成長です。広告技術も進んでいて、かつては単純なバナー広告だけでしたが、最近はリッチメディアを使った、例えばホームページにアクセスすると画面の真ん中を絵が動くような(実にウザイ!)広告も普通になってきました。一方でGoogleのアドセンスのような手法により、われわれ普通の人がWEB広告の恩恵を簡単に受けることも出来るようにもなってきました。
実感としても、インターネット上の広告は盛況であり進化しています。
しかしこの本を読むと、さらに今ではいろいろなことが出来るのだ、ということを教えられます。著者の横山隆二さんはインターネット広告のメディアレップ(広告販売代理業)大手であるDAC(デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム)副社長です。まさに第一線の立場から、インターネット広告の“いま”と“これから”について書かれたものです。
個人的に興味を感じたのは次の2点です。
1つは「行動ターゲティング」の概念。
そもそもインターネットというメディアは、ユーザーがその時の関心事の文脈を辿ってハイパーリンクしていくものであり、文脈(コンテキスト)を意識することは、広告に対する反応をより多く獲得するためにはたいへん重要なこととなる。(p118)
この考え方重要ですね。アメリカではこうした考え方に基づいた広告サービスが既に普及しており、効果も高いようです。この考え方に立つと、いろいろ面白いマーケティング企画が考えられそうです。
もっとも個人のアクセスログを元にターゲティングする技術だそうで、個人の情報が拾われているのは、ちょっと気持ちが悪いですが。
2つめは、この本の副題にもなっている「クロスメディア」という概念です。
複数のメディアを組み合わせて効果的なキャンペンを展開することを、従来「メディアミックス」と言っていた。これに対し、インターネットを組み合わせるメディアプランを「クロスメディア」と呼ぶ。足し算の「メディアミックス」に対して、「クロスメディア」は掛け算だという考え方だ。(p131)
私自身は十分なじみのある概念なので、フムフムと読みましたが、このブログで初回からずっと取り上げている「非マス広告コミュニケーション」あるいは「メディア横断的プランニング」という考え方に関心ある人は参考になると思います。特にインターネットをコアにした場合どんなことができるか理解できそうです。
難を言えば、多少全体的に広告コミュニケーションにおけるインターネットの役割・価値を伝えたくて肩に力が入りすぎている感じがしないでもないのですが、この領域を理解する格好の本だと言えます。
☆横山隆治「インターネット広告革命」(2005年)宣伝会議

インターネット広告革命―クロスメディアが「広告」を変える。
インターネット広告については、日本に初登場したのが1996年だそうで、8年あまりでの急激な成長です。広告技術も進んでいて、かつては単純なバナー広告だけでしたが、最近はリッチメディアを使った、例えばホームページにアクセスすると画面の真ん中を絵が動くような(実にウザイ!)広告も普通になってきました。一方でGoogleのアドセンスのような手法により、われわれ普通の人がWEB広告の恩恵を簡単に受けることも出来るようにもなってきました。
実感としても、インターネット上の広告は盛況であり進化しています。
しかしこの本を読むと、さらに今ではいろいろなことが出来るのだ、ということを教えられます。著者の横山隆二さんはインターネット広告のメディアレップ(広告販売代理業)大手であるDAC(デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム)副社長です。まさに第一線の立場から、インターネット広告の“いま”と“これから”について書かれたものです。
個人的に興味を感じたのは次の2点です。
1つは「行動ターゲティング」の概念。
そもそもインターネットというメディアは、ユーザーがその時の関心事の文脈を辿ってハイパーリンクしていくものであり、文脈(コンテキスト)を意識することは、広告に対する反応をより多く獲得するためにはたいへん重要なこととなる。(p118)
この考え方重要ですね。アメリカではこうした考え方に基づいた広告サービスが既に普及しており、効果も高いようです。この考え方に立つと、いろいろ面白いマーケティング企画が考えられそうです。
もっとも個人のアクセスログを元にターゲティングする技術だそうで、個人の情報が拾われているのは、ちょっと気持ちが悪いですが。
2つめは、この本の副題にもなっている「クロスメディア」という概念です。
複数のメディアを組み合わせて効果的なキャンペンを展開することを、従来「メディアミックス」と言っていた。これに対し、インターネットを組み合わせるメディアプランを「クロスメディア」と呼ぶ。足し算の「メディアミックス」に対して、「クロスメディア」は掛け算だという考え方だ。(p131)
私自身は十分なじみのある概念なので、フムフムと読みましたが、このブログで初回からずっと取り上げている「非マス広告コミュニケーション」あるいは「メディア横断的プランニング」という考え方に関心ある人は参考になると思います。特にインターネットをコアにした場合どんなことができるか理解できそうです。
難を言えば、多少全体的に広告コミュニケーションにおけるインターネットの役割・価値を伝えたくて肩に力が入りすぎている感じがしないでもないのですが、この領域を理解する格好の本だと言えます。
☆横山隆治「インターネット広告革命」(2005年)宣伝会議

インターネット広告革命―クロスメディアが「広告」を変える。
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