最近クチコミの勉強をしています。(もちろん仕事です)
クチコミマーケティングにもいろいろな方法がありますが、今日紹介するのは、そのうち「コミュニティマーケティング」と呼ばれるものを紹介した本です。前回紹介した本(「クチコミはこうしてつくられる」)が理論篇とすると、これは実践篇です。
作者はハー・ストーリィの日野佳恵子さん。このハー・ストーリィという会社はいち早くクチコミマーケティングに取り組んだ会社らしく、Googleで「クチコミ」という言葉を検索するとたくさんの関連語が上位に出てきます。
さて、「ファンサイトマーケティング」という書名ですが、要は企業の会員サイトです。この手のサイトをうまく運営することは、企業のファンを作り、企業にとって望ましい「クチコミ」や「評判」を誘発するのに最適な方法と言え、ネット上のマーケティング手法としては、もはやトラディッショナルなものです。既に多くの会社がこの機能を持たせたサイトを開設していると思いますが、必ずしもうまくいっていないところもあるでしょう。
この本では、成功している事例の分析を通じて、その「成功のコツ」のようなものをまとめています。
そのエッセンスを私なりに要約すると「企業と顧客との絆づくりの場として位置づける」ということになると思います。「ブランドロイヤルティ」「企業ロイヤルティ」の重要性がずっと言われていますが、それを形成するための課題は人間関係と同じで、いかに企業が「顧客との距離を縮めるか」です。企業の会員制サイトは、顧客一人ひとりが参加できる、インタラクティブな関係が作れるなどの機能により、企業と顧客との距離を縮める場として最適であり、うまく活用しましょうということです。
さらにこの本では重要な指摘として、会員サイトを「広告宣伝」つまり企業からの情報発信の場として捉えるのではなく、むしろ顧客の声に耳を傾ける場と捉えるべきとも提案しています。企業情報を提供する窓口であるから、まずは自社の情報をいろいろ取り揃えて流したくなるのが人情ですが、WEBサイトの強みを生かす、顧客の声に耳を傾けることを重視すべきだ、という指摘はたしかにその通りだと思います。顧客の声をうまく生かすことができれば、商品開発のプロセスを変え、より消費者アクセプタンスの高い商品を生み出すことができる、という可能性も指摘しています。
まあ、昔ラジオ番組との共同企画による商品開発というのがありましたね。それ自体はメジャーにはならないのですが、開発の過程で消費者の声をうまく反映できれば、よりよい商品が生み出されるということもあるでしょう。「自分が作った商品」という気持ちも生まれて、人に薦めたり(クチコミ)、ファンになったりすることも期待できるでしょうから。
だから、こういうサイトでは訪問者に対する誠実さが絶対必要です。ウソ・隠し事・ぞんざいな扱いは絶対にいけません。必ず見破られますから。
この本、言ってみれば当たり前のことが書いてあるのですが、それをなかなかやり通すのはが難しく、でもやはりやる必要がある、というようなことをきちんと指摘していると思います。その意味で良書だと思います。
☆日野佳恵子「ファンサイトマーケティング」(2005年)ダイヤモンド社
ファンサイト・マーケティング
クチコミマーケティングにもいろいろな方法がありますが、今日紹介するのは、そのうち「コミュニティマーケティング」と呼ばれるものを紹介した本です。前回紹介した本(「クチコミはこうしてつくられる」)が理論篇とすると、これは実践篇です。
作者はハー・ストーリィの日野佳恵子さん。このハー・ストーリィという会社はいち早くクチコミマーケティングに取り組んだ会社らしく、Googleで「クチコミ」という言葉を検索するとたくさんの関連語が上位に出てきます。
さて、「ファンサイトマーケティング」という書名ですが、要は企業の会員サイトです。この手のサイトをうまく運営することは、企業のファンを作り、企業にとって望ましい「クチコミ」や「評判」を誘発するのに最適な方法と言え、ネット上のマーケティング手法としては、もはやトラディッショナルなものです。既に多くの会社がこの機能を持たせたサイトを開設していると思いますが、必ずしもうまくいっていないところもあるでしょう。
この本では、成功している事例の分析を通じて、その「成功のコツ」のようなものをまとめています。
そのエッセンスを私なりに要約すると「企業と顧客との絆づくりの場として位置づける」ということになると思います。「ブランドロイヤルティ」「企業ロイヤルティ」の重要性がずっと言われていますが、それを形成するための課題は人間関係と同じで、いかに企業が「顧客との距離を縮めるか」です。企業の会員制サイトは、顧客一人ひとりが参加できる、インタラクティブな関係が作れるなどの機能により、企業と顧客との距離を縮める場として最適であり、うまく活用しましょうということです。
さらにこの本では重要な指摘として、会員サイトを「広告宣伝」つまり企業からの情報発信の場として捉えるのではなく、むしろ顧客の声に耳を傾ける場と捉えるべきとも提案しています。企業情報を提供する窓口であるから、まずは自社の情報をいろいろ取り揃えて流したくなるのが人情ですが、WEBサイトの強みを生かす、顧客の声に耳を傾けることを重視すべきだ、という指摘はたしかにその通りだと思います。顧客の声をうまく生かすことができれば、商品開発のプロセスを変え、より消費者アクセプタンスの高い商品を生み出すことができる、という可能性も指摘しています。
まあ、昔ラジオ番組との共同企画による商品開発というのがありましたね。それ自体はメジャーにはならないのですが、開発の過程で消費者の声をうまく反映できれば、よりよい商品が生み出されるということもあるでしょう。「自分が作った商品」という気持ちも生まれて、人に薦めたり(クチコミ)、ファンになったりすることも期待できるでしょうから。
だから、こういうサイトでは訪問者に対する誠実さが絶対必要です。ウソ・隠し事・ぞんざいな扱いは絶対にいけません。必ず見破られますから。
この本、言ってみれば当たり前のことが書いてあるのですが、それをなかなかやり通すのはが難しく、でもやはりやる必要がある、というようなことをきちんと指摘していると思います。その意味で良書だと思います。
☆日野佳恵子「ファンサイトマーケティング」(2005年)ダイヤモンド社
ファンサイト・マーケティング
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